インド中期密教

2 密教の分類

日本とそれ以外(チベット、インド、西洋)の国では密教の分類が異なる。これは、空海の真言密教が日本にはあるためだ。チベット、インド、西洋の国では、密教はその内容によって、以下の4つに分類される。所作タントラ:外的な行(所作)、すなはち、潔斎・...
インド中期密教

1 インド中期密教の特徴

雑然と大乗仏教と密教的要素が混在した初期密教の時代において、「初期密教の初期」ではヒンズー経の影響で現世利益の呪文や陀羅尼が急激に増えた。しかし、「初期密教の後期」では悟りや解脱の願文や真言が増え、また悟りを求める仏教に戻ってきた。そして、...
インド中期密教

8 インド中期密教

そもそも密教とはなんだろう?コメント===>すでに、「日本密教」、「インド初期密教」に書いた後で、この設問はなんだか変な気がする。でも、密教は非常に多くの様相を示すため、ある側面だけを取り上げて、「これが密教だ!」というのは難しい。敢えて言...
インド初期密教

2 漢訳経典を元にした初期密教の大塚研究

ここでは大塚伸夫による漢訳経典に基づく研究を見てみよう。大塚は、初期密教時代における漢訳経典を精読し、その変遷を密教化という観点から概観している。このような方法論の特徴の1つとして、同系列の経典に、何世紀にも渡って類本が存在する場合、その変...
インド初期密教

1 大乗仏教からの変化 ― ヒンズー教化

大乗仏教では、衆生の救済や悟り、そして自分の悟りを目指し、成仏することが目標だった。ところが、インド グプタ朝の頃(4世紀ぐらい)になると、現世利益的な延命、病気平癒、国家護持などの祈願がどんどん登場するようになる。同時にそれを実現するため...