インド中期密教

インド中期密教

4 密教的哲学の芽生え

唯識や中観といった伝統仏教思想と、密教的宇宙観(五大、五智、五仏など)を融合させた体系的思考が、インド密教にも現れる。ここは、大乗とは思想的にも変わってくるところだろう。この世界も人間も、五大(地大、水大、火大、風大、空大)の構成要素ででき...
インド中期密教

3 インド中期密教と空海密教の相違点

中国や日本では、密教は国家と結びついたため、インドに比べると秘密性は薄れただろう。空海の真言密教は、インド中期密教をベースにしているのは確かだが、インド中期密教とはかなり異なる。ここでは、インド中期密教と空海の真言密教の相違について考えてみ...
インド中期密教

2 密教の分類

日本とそれ以外(チベット、インド、西洋)の国では密教の分類が異なる。これは、空海の真言密教が日本にはあるためだ。チベット、インド、西洋の国では、密教はその内容によって、以下の4つに分類される。所作タントラ:外的な行(所作)、すなはち、潔斎・...
インド中期密教

1 インド中期密教の特徴

雑然と大乗仏教と密教的要素が混在した初期密教の時代において、「初期密教の初期」ではヒンズー経の影響で現世利益の呪文や陀羅尼が急激に増えた。しかし、「初期密教の後期」では悟りや解脱の願文や真言が増え、また悟りを求める仏教に戻ってきた。そして、...
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8 インド中期密教

そもそも密教とはなんだろう?コメント===>すでに、「日本密教」、「インド初期密教」に書いた後で、この設問はなんだか変な気がする。でも、密教は非常に多くの様相を示すため、ある側面だけを取り上げて、「これが密教だ!」というのは難しい。敢えて言...