Buddhism & Science

初めてブッダくんに会ったのはいつだったろう?
全く覚えていない。


学生時代下宿をしており、家に帰ると自分の部屋はなく、座敷に寝ていた。
そこに大きな仏壇があった。
毎朝、早くから親父がお経を唱えていた。
「眠いのにうるさいな〜〜〜」
どこかにブッダくんはいたのかもしれないが、会うことはなかった。


大学院へ進学し、家に帰ることもほとんどなくなった。研究漬けの毎日が始まった。
就職、結婚、子供もできた。
そんなある日、親父が死んだ。
葬式、親父の故郷の寺への挨拶、従兄弟の坊さんたちとの久しぶりの再会。
でも、ブッダくんに会うことはなかった。


66歳で退職。
結局ブッダくんに会うことはなかった。どこにもいなかった。


退職し、高野山大学に入った。特段の意図はなかった。「ご縁」だ。
でも、まだブッダくんに会っていない。


「よーし、ブッダくん、会いに行くからな!待ってろよ!」