インド初期密教

インド初期密教

2 漢訳経典を元にした初期密教の大塚研究

ここでは大塚伸夫による漢訳経典に基づく研究を見てみよう。大塚は、初期密教時代における漢訳経典を精読し、その変遷を密教化という観点から概観している。このような方法論の特徴の1つとして、同系列の経典に、何世紀にも渡って類本が存在する場合、その変...
インド初期密教

1 大乗仏教からの変化 ― ヒンズー教化

大乗仏教では、衆生の救済や悟り、そして自分の悟りを目指し、成仏することが目標だった。ところが、インド グプタ朝の頃(4世紀ぐらい)になると、現世利益的な延命、病気平癒、国家護持などの祈願がどんどん登場するようになる。同時にそれを実現するため...
インド初期密教

7 インド初期密教

前節では、インド密教を述べる前に、日本と他国との間での仏教・密教の研究状況の違いを私的にみた。当然、国により、研究状況に違いはある。仏教が宗教である以上、それぞれの国や地域の事情に合わせた発展を遂げている。それは、仕方がないことで、そのため...