3-0 初期仏教 ー はじめに

初期仏教 初期仏教

釈迦が生まれて、仏教が始まる。

初期仏教とは、釈迦が生まれてから死ぬまで、さらに釈迦の教えがそのまま引き継がれた時代の仏教をいう。
仏教の教えは、時代とともにどんどん進化・発展し、精緻な理論へと、また新たは行法(修行方法)へと進んでいく。

おかげで、仏教には膨大な経典[1]が残っている。

経典は、まず
「釈迦から聞いた(如是我聞(にょぜがもん)」
というフレーズで始まる。
実在の釈迦の入滅後、何百年も経ってからの経典にも、そう書いてある。
誰も信じていないような気がするが、釈迦が言ったことなので、絶対正しいと、信者の方は信じているはず(と思う)。


とはいえ、釈迦が説法したと言われる教えに、仏教の原型をほぼ見出すことができる。
ここでは、「釈迦の悟りまでの過程」と「釈迦が説教した教え」について、述べてみよう。

釈迦はまだ生きている

[1] 書かれた仏教経典の数は、はっきり言ってわからない。単なる推測だが、初期仏教:三千から一万、大乗仏教:三千から三万、密教(後期含む):二千から一万、合計:少なくとも数万と言われている。

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