何もないところに、突如として密教が日本に現れたわけではない。
まずは、日本への仏教伝来の話から始めよう。
仏教が生まれたのは、お釈迦さまが悟りを開いた時、すなはち、今から約2500年前だ。それがインドの中で広まり、いわゆる北伝ルートとして、インド → パキスタン・アフガニスタン → 中央アジア → 中国 → 朝鮮 → 日本と伝わってきた。いわゆる有名なシルクロード経由だ!
コメント===>海のシルクロード、南伝ルートもある。高野山大学のM先生が研究中!
日本に入ったのは、欽明天皇13年(552年、別説あり)、百済の聖明王から仏像や経典が日本に献上された時らしい。
仏教を受け入れるかどうかで、朝廷内で意見が分かれる。受容派は蘇我氏、反対派は物部氏だ。宗教観だけでなく、権力争いの様相もあったようだ。最終的には、587年の「丁未の乱」で蘇我馬子が物部守屋を滅ぼし、仏教受容が公的に受け入れられる。
コメント===>新しいものが入ってくる時、必ず賛否両論が湧き起こる。仏教受容についても、理由はいろいろあるにしても、通常の動きだ。
日本に入ってきた仏教大乗仏教であった。釈迦が目指した「悟りを求める」ものとしてではなく、国家安泰(鎮護国家)の祈りの手段として整備されていく。日本仏教の一つの特色だ。この辺りの経緯は、日本史の教科書に結構書かれているので、さらりと注釈で流そう[1]。
コメント===>政治と宗教の問題は、過去も現在も、世界のどの地域においても大きな問題だ。日本は戦後政教分離を原則として、掲げているが、政治家の靖国神社参拝など必ずしも完全な政教分離ではない。世界を見れば、フランスやアメリカは理念上、政教分離を掲げるが、アメリカなどでは、実質的には「神のもとにある国」というスローガンなどの影響はある。イギリスでは、国教会があり、国王はその最高首長だし、上院には聖職者も含まれる。イスラム系の国は言わずもがな!一神教は強い!
共産党支配の中国は、当然無神論国家だ、しかし実質はいろんな宗教があり、中国はこれを強く管理しようとしている。チベット仏教、かわいそう!
宗教は人間の生き方なので、政治と完全に離れることはなく、適切な関係の構築が望ましいと思うのですが、、、。無理かなぁ〜
[1] 聖徳太子(推古天皇の摂政):十七条憲法で仏教重視を明記。法隆寺などを建立。天武・持統天皇期には、国家による仏教統制が進み、仏教が国家の保護を受け、寺院が政治・経済的にも力を持つようになる。さらに、聖武天皇の頃、疫病や天災鎮め、仏教によって国を安定させようとして、741年に国分寺・国分尼寺の設置命令を出した。そのため、各地に官立の寺院が建てられ、仏教の地方普及を図るとともに、中央集権を強化した。743年には奈良東大寺東大寺盧舎那仏(大仏)造立の詔を出している。
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