奈良時代の仏教は、いわゆる南都六宗が中心で、経典の研究や国家護持を目的としたものだった。
- 三論宗:主に中観思想の代表的論書である中論・十二門論・百論を中心に学ぶ宗派
- 成実宗:三論宗の付宗
- 法相宗:唯識派の思想を学ぶ宗派
- 倶舎宗(説一切有部):法相宗の付宗(部派仏教の一派)
- 華厳宗:華厳経を中心に学ぶ宗派
- 律宗:四分律を学ぶ宗派(上座部の一派)
奈良時代は、大乗だけでなく、部派に属する宗派も共存していた。また、一つの宗派だけを学ぶのではなく、互いに教義を学び合う超学派的で、教理の研究を行う学僧衆の集まり的なものと言われる。各派共存で、意外と平和な時代だったのかもしれない。現存する宗派は、法相宗・華厳宗・律宗の三宗のみで、他は消えた!
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