3月中頃だっただろうか、無事に高野山大学への入学が認められ、結構高い入学金と授業料を納めて、晴れて大学生になった。少し前までは、学生を指導する立場にいたのだが、今度は指導される立場となった。ちょっと、いい気分である。
私が入学した文学部密教学科の社会人コースは、開講2年目で、我々が2期生ということになる。あまり、自慢できる話ではないが、1期生が4名、2期生が5名という状態であった。その後もその程度の学生数が続くことになる。
周りを見渡すと、社会人コースの学生の方は、みなさん年配である。私より若い人がもちろん多いのであるが、とは言っても四十代から六十代の方が中心であった。上に述べたように人数的には寂しいような気もするが、なかなか強烈な人が多くって、色々と話題豊富で、幾つも面白い話がある。これもおいおい書いていこう。
この年は、新型コロナウイルスがますます感染拡大を見せ、4月予定の授業開講日が5月7日に延期された。その間、それぞれの授業で課題が出されたが、初めての仏教に触れる私は、ワクワクしながら、関連図書を読み、課題をこなすのであるが、読んでも全く分からなかった。大学教授をしていたという自負もあって、専門は違うが少しはわかるだろうと思っていたが、期待は大きく裏切られた。
心の中で「仏教を教える教授もきっと、簡単な方程式も解けないよな。専門が違うということはこういうことなんだ。だから、私が仏教を全く分からなくても不思議じゃない。2、3年もすればわかるようになるさ」と考え、自分を慰めていたのを覚えている。情けないなぁ〜〜。

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