プロローグ6 授業開始

プロローグ

コロナの治る気配はなく、5月の対面授業開講予定は、結局6月までづれ込んだ。それまでは、ZOOMを利用した授業となった。先生、学生ともにZOOMにはあまり慣れておらず、パソコンを持っていない学生もいた。「そらー、60歳までパソコン使わず、急にパソコン使ってZOOMで授業を受けろと言われても、無理だな。」先生方を見ても、まだまだ不慣れで、操作がぎこちない。

6月から始まった対面授業の教室は、今となっては懐かしい光景であるが、席の間隔を大きく広げ、当時はやったソシアルディスタンスをキープした。さらには、前後にはアクリル板の衝立てをたて、授業が終わると机と椅子をアルコールシートで除菌をするという、厳戒態勢で始まった。

授業で聞くことの、一つ一つが新しく、ほんとワクワクしながら聞いていたが、仏教初心者の私は、何も分からない。さらに、漢文や古文の授業も久しぶりに受けたが、以前に学んだのは50年ほど前で、ほとんど忘れている、いや元々知らない。大学受験でも、「古文はどうせ日本語やし、多少はわかるやろ」とたかを括って、1時間も受験勉強をしなかった。「そらー、知っているわけないよな!」というわけで、仏教にたどり着くまでに、漢文、古文で打ちのめされる。

さらには、サンスクリット語である。お経の原典は、基本的にサンスクリット語で書かれている。ふるい典籍なので、紛失したものや見つかっていないものも多いのだが、学者先生はお経をできる限り、サンスクリット語原典で読むらしい!これも後になってわかるのだが、学者先生の全員がすらすらサンスクリット語を読めるわけではなく、それにサンスクリット語に精通している人は、ある意味の権威になれるようだ。

これについては、そんなに不思議には思わなかった。だって、自然科学をやっている学者先生が、すべて数学ができるわけでも、物理法則を知っているわけでもなく、みなさんそれぞれの得意分野でやっているのだから!

とりあえず、コロナの感染の広まりの中ではあるが、授業は始まることになった。

この後、いくつかの授業の様子と先生方の興味深い話をしてみよう。

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